〔私の渉外ノウハウ〕部署間の連携強みに(下)
2022/6/23
碧南営農センター 久留宮拓馬さん
■新任営農指導員へのアドバイスを
まずは自分の担当する生産者に顔を覚えてもらうために、訪問巡回することが大切です。業務の中で出てくる疑問は先輩職員、上司、農業改良普及課、経済連、農薬メーカーに確認したり、自分なりに調べて知識を深めたりすることも重要です。正確な情報を集め、回答することで信頼関係が築いていけるのだと思います。
■訪問時に使う独自の資料やノウハウはありますか
営農渉外は専用のタブレットが貸与されているので随時持ち歩き、病害虫の被害写真や防除暦を保存しておき、すぐに対応できるようにしています。ニンジン、タマネギの最盛期には、同系統薬剤の近接散布や使用回数に注意して計画的な防除体系を組みます。また生産者個別に提案が行えるように、使用農薬を記録し、回答できるようにしています。
■組合員、利用者のニーズにどんな変化を感じますか
農作業の省力化に関するニーズは増えてきたように感じます。タマネギの定植に関しては、これまで手作業で行われてきましたが、機械定植の導入試験が進められています。また防除に関しても、ドローンでの薬剤散布で十分な効果が得られるか現在検証しています。課題は多いですが、一つずつクリアーしていき、省力化で空いた時間を他の管理作業に充ててもらえるように、産地に適した導入を進めていきたいです。
■JAは総合事業が特徴です。JA内での他部署との情報共有・連携については
農業機械の導入に際して補助金に関する相談を受けることがあります。JAあいち中央が農家に対する独自助成として行っている「新・農業振興資金」を提案し、少しでも興味を持ってもらえたら担当部署に情報を繋ぎ、必要書類をそろえて再度訪問しています。また月に一度自分の担当している生産者を中心に融資渉外との同行訪問を行っています。JAに求める融資に関する意見の収集や融資商材であるアグリマイティ資金などの紹介を行っています。
購入に際し資金の話まで相談に乗ることができるのは、総合事業ならではの強みだと思います。部署間の連携を強めて、より生産者の経営に役立つ提案を行っていきたいです。
生産現場で経済連職員(右)と
土壌の調査を行う久留宮さん(左)